温泉での感染症の心配は?レジオネラ菌と淋菌感染症の予防と対策など簡単解説

疲弊した心身を癒すべく、いざ温泉へ…という方も多いのではないでしょうか?

でも温泉に行くことで心身の疲労がより増してしまうこともあります。さらに大衆浴場である温泉には菌も繁殖しているケースがあり、免疫機能が低下している方はレジオネラ感染症を引き起こす原因にもなりえます。

この記事では、

  • 塩素消毒や定期的な掃除をすることで感染症を抑制できている
  • レジオネラ感染症によってどんな症状が引き起こされるのか

などについてご紹介させていただきますので、参考にしていただけると幸いです。

記事を執筆しているのは管理栄養士歴6年で保健所の環境衛生課(温泉を含む衛生関係を監視する課)に1年所属していた山田です。

温泉の感染症について

上記のようにレジオネラは温泉で検出されることがあります。それによってレジオネラ症が発症し、最悪の場合死に至ります。広島でのケースは50代男性が死亡したとニュースで発表されました。

また、淋菌感染症も温泉で発症することがあります。温泉で淋菌感染症を発症し、発症した方が家で浴槽に浸かったことで家族感染ということもあったようですね…

温泉は心身を癒す施設であると同時に危険な場所の1つにもなりうる場ということがわかりました。

レジオネラ感染症

レジオネラ感染症は以下のような症状があります。

集団肺炎や全身性倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状から、乾性咳嗽、38℃以上の高熱、悪寒、胸痛、呼吸困難がみられます。また、傾眠や昏睡、幻覚、四肢の振せんなどの中枢神経系の症状や下痢がみられるのも特徴的です。

上記に加え、最悪の場合死に至るケースがあります。

淋菌感染症

淋菌感染症は以下のような症状があります。

[box02 title=”男性の症状”] 尿道に淋菌が感染した場合は、2〜9日の潜伏期を経て通常膿性の分泌物が出現し、排尿時に疼痛を生じます。[/box02] [box01 title=”女性”] 女性では男性より症状が軽くて自覚されないまま経過することが多いですが、上行性に炎症が波及していくことがあります。これは骨盤炎症性疾患、卵管不妊症、子宮外妊娠、慢性骨盤痛の主要な原因です[/box01]

参考:NIID国立感染症研究所「レジオネラ」「淋菌」

感染症への対策

レジオネラ属菌や淋菌の対策はどのようにされているのかご紹介していきますね。

レジオネラ属菌

対策は以下の2つ。

  • 換水:湯を抜くこと
  • 洗浄

つまり衛生的にしておけばレジオネラ菌は増殖しない、ということです。

レジオネラ属菌は20〜45度が増殖しやすい温度環境です。そのほかの低温もしくは高温での温度管理をすればレジオネラの汚染を抑制することが可能です。

ちなみにレジオネラ属菌は60度以上は殺菌されます。

淋菌

淋菌の対策は以下のとおりです。

  • 洗浄
  • 換水
  • 浴場の洗い場にの床に座り込まないこと

淋菌もレジオネラ属菌と同様、衛生的にしておけば問題はなさそうです。レジオネラ属菌に加えて言うならば、床に直接座らないこと。

両者とも衛生面をしっかりしておけば感染症の心配はありません。 

温泉でのハイリスクグループ

ある病気になりやすい特定の集団のことをハイリスクグループといいます。

温泉の菌に感染しやすいハイリスクグループは以下のとおりです。

  • 高齢者
  • 新生児
  • 大酒家
  • 重喫煙者
  • 透析患者
  • 悪性疾患
  • 糖尿病
  • AIDS患者

上記にあてはまる方は衛生的なことを謳っている温泉施設や多くの人数が入浴している温泉以外の施設を探す方が良いでしょう。

まとめ

温泉という癒やしの場でさえ、感染症になる可能性も秘めています。

なるべく、

  • 衛生的(毎日清掃されている)
  • 温度管理がされている
  • 定期的に温泉の水質を検査している
  • あまり人が入浴していない温泉施設に行く
  • 源泉かけ流しに行く

などを探して温泉を楽しむとより安全で安心して入浴することができますよ。

源泉かけ流し温泉については以下のサイトを参考にしてみてください。

日本温泉遺産を守る会

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