トリハロメタンとクリプトスポリジウムについて簡単解説【除去方法つき】

日本は安心して水が飲める数少ない国の内の1つだといわれています。しかし水道水の問題は以下2点あります。

  1. 消毒副生成物に関してはトリハロメタン類以外にもハロ酢酸などの問題や新たな科学物質による問題
  2. クリプトスポリジウムなどの耐塩素性病原性微生物の問題が定期されている

引用:水道水質基準について 厚生労働省

トリハロメタンとクリプトスポリジウムとはいったいなんでしょうか?私たちにどんな影響を及ぼすのかについてこの記事ではご紹介していきますね。

トリハロメタンは発がん性物質

トリハロメタンは発がん性物質。一般的に哺乳類であるヒトに対してトリハロメタン類は吸収されやすいと言われています。また、代謝と吸入で速やかに排泄されるという特徴があります。

参考:食品安全委員会化学物質・汚染物質専門調査会2009年6月

トリハロメタンは大きくわけて4種類あります。それぞれご紹介していきますね。

クロロホルム

クロロホルム麻酔作用、中枢神経の抑制があります。

  • 急性的:中枢神経や眼・肝臓・腎臓への刺激作用
  • 慢性的には肝・腎への影響
  • 発がん性

このクロロホルムの対応策は、

  • 消毒剤の添加量抑制
  • 煮沸
  • エアレーション処理
  • ストリッピング(揮散)処理

が必要です。

エアレーション処理は、消毒のために水を泡立たせ空気にさらす浄水方法のこと。

ストリッピング処理は、アンモニウムイオンと水酸化イオンを反応させて、アンモニアガスと水に分離させること。

ジブロモクロロメタン

ジブロモクロロメタンははっきりと何が影響するのか書かれている文献は非常に少ないです。しかし、催奇形性や奇形を作る性質があると言われています。

奇形児や障害児の発症が世界1位(もしくは世界2位)とも言われており、見方にもよりますが、水道水のジブロモクロロメタンも原因の1つではないか?と考えることもできます。

ブロモジクロロメタン

ブロモジクロロメタンは発がん性物質です。

また、肝臓への影響も毒性として考えられているだけでなく、催奇形性も誘発するということが動物実験で明らかにされています。

ブロモホルム

ブロモホルムは催奇形性、発がん性があると言われています。

そのため日本では構成労働省が定めた浄水におけるブロモホルムの水質基準を0.090 mg/Lと定めています。(2002年(平成14年)3月時点)

クリプトスポリジウムは腹痛をともなう激しい水溶性の下痢に

クリプトスポリジウムは主に水溶性の下痢や腹痛、倦怠感、食欲低下、悪心などの症状がでると言われています。

参考:NIID 国立感染症研究所

潜伏期間は3〜10日。下痢の症状は1日のうちに数回程度〜20回以上激しいものまでと様々です。

このクリプトスポリジウムは、耐塩素性原虫で塩素での消毒では死滅しません。そのため、このクリプトスポリジウムを除去するために浄水器などで水をろ過する必要があります。

トリハロメタンとクリプトスポリジウムを除去する方法

家庭でできるトリハロメタン除去

トリハロメタンの除去方法は以下のとおりです。

  • 沸騰させる
  • 活性炭や逆浸透膜にとおす

沸騰させる

トリハロメタンは沸騰させることで水中から除去することが可能です。

沸騰でのポイントは、10分以上の沸騰を続けること。

10分以内だとトリハロメタンは一時的に水中での濃度が上昇してしまいます。しかし10分以上することで蒸発していき、除去することができるからです。

電気ポットでも沸騰の操作を繰り返すことができ、トリハロメタンは除去することができます。しかし個人的には電気ポットでの除去方法はおすすめできません。「健康」が目的であれば、ガスでしっかりと沸騰させることをおすすめします。

上記については以下の記事で紹介しておりますのでご覧いただけると幸いです。

https://mizu3.info/syafutu/

活性炭や逆浸透膜にとおす

10分以上の煮沸を毎日すると苦痛ですよね。そのときに役立つのが活性炭。

参考:奈良県大和郡山市HPより

多くの浄水器が活性炭を利用しているので、浄水器を取り付ければこの問題は解決できます。

https://mizu3.info/josuiki-rozai-osusume/

炭は多孔質によって低分子の成分を吸着する働きがあります。そのため消臭効果があります。トリハロメタンも活性炭に通すことで解決できますが、より一層安全性を強めるのであれば、逆浸透膜の浄水器があればなお良いでしょう。


※ウォータースタンドは逆浸透膜を使用

参考:逆浸透膜処理を利用した水汚染物質の除去:池田健一 日東電工株式会社 メ ンブ レン事業 部 開発 セ ンター

家庭でできるクリプトスポリジウム除去

以下の方法でクリプトスポリジウムを除去することができます。

  • 60℃以上の加熱か-20℃以下での冷凍なら30分で死滅
  • 沸騰水なら1分以上で死滅
  • 乾燥に弱いので常温で1~4日間の乾燥で感染力失う
  • 飲料に使用する場合は1分間の煮沸が必要
  • 中空糸膜やセラミック、逆浸透膜のろ材を使用している浄水器

※家庭用冷蔵庫では死滅は難しい

上の4つは忙しい日本人にとってはちょっとネックですよね…可能であればあまりお金のかからないこの方法も悪くはありません。

しかし、浄水器だとクリプトスポリジウムもトリハロメタンの問題点について解決することができます。

楽を選ぶ方は浄水器を購入することをおすすめします。

まとめ

日本の水は世界的に見ると比較的安全な水ではありますが、消毒をすることによって新たな問題も生じているのも事実です。

クリプトスポリジウムやトリハロメタンを今回は代表としてご紹介しましたが、他にも銀や鉛、中空糸膜なども問題点として挙げられます。

家庭でできる簡単な方法から試してみて、難しくなったら浄水器やウォータースタンドなど視野に入れてみることをおすすめします。

定額制で使いホーダイのお水、ウォータースタンド。

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